同僚に資料を見てもらいたい。店員さんに別のサイズを持ってきてほしい。そんなとき、失礼にならない言い方を探しているうちに、英語が出てこなくなることはありませんか。
丁寧な依頼は、難しい表現を長くつなげればできるものではありません。まず「誰に、何をしてほしいのか」を決め、それから相手に頼む形にします。
たとえば「資料を確認していただけますか」なら、入口は Could you check this document? です。ただし、これだけでは、誤字を見るのか、数字を見るのか、いつまでに必要なのかは伝わりません。この記事ではcouldとwouldの形に加えて、相手が動ける依頼にするための一言まで練習します。
「何をしてほしいか」を先に短くする
来週使う資料について「お忙しいところ恐縮ですが、こちらの資料をご確認いただけますでしょうか」と言いたいとします。日本語の丁寧な前置きを一語ずつ英語にする前に、用件を「このページの数字を確認してほしい」に絞ってみましょう。
Could you check the numbers on this page, please?
このページの数字を確認していただけますか。
形は「Could you+してほしいこと」です。checkの場所には、send(送る)、open(開ける)、show(見せる)など、具体的な動きを置けます。
Could you send me the updated file, please?
更新したファイルを送っていただけますか。
Could you help me?(手伝っていただけますか)も使えますが、何に困っているかまで言うと、相手は引き受けられるか判断しやすくなります。
Could you help me carry these boxes?
この箱を運ぶのを手伝っていただけますか。
ここでのcouldは「昔できた」という話ではありません。今、相手にお願いする表現として使っています。
Could youとCould Iは「動く人」が違う
同じcouldでも、youとIが変わると、お願いの組み立てが変わります。
Could you open the window?
窓を開けていただけますか。
窓を開けるのは相手です。一方、自分で開けてよいか尋ねるなら、次のように言います。
Could I open the window?
窓を開けてもいいですか。
英語を作る前に、窓に手を伸ばすのが自分か相手かを思い浮かべてください。この違いが見えると、youとIを選びやすくなります。

ただし、Could Iは許可を求めるときだけの形ではありません。店で物を頼むCould I have …?もよく使われます。
Could I have a smaller size, please?
もう少し小さいサイズをいただけますか。
この場合は「私が受け取る」という形で、店員さんに商品を頼んでいます。「相手に何かをしてもらうなら、必ずyou」と決めつけず、動作を頼むCould you …?と、物を頼むCould I have …?を場面ごと覚えると使いやすくなります。

Would you …?も使える。ただし「couldより必ず丁寧」ではない
相手に行動を頼むときは、Would you …?も使えます。
Would you send me a copy, please?
コピーを送っていただけますか。
Could you …?とWould you …?は、どちらも丁寧な依頼に使えます。日常の依頼なら、まず自分が言いやすい一方を使って構いません。wouldならいつでもcouldより丁寧、と一直線に順位をつける必要はありません。
親しい同僚にCan you send me the file?と頼むのも自然です。canを使っただけで失礼になるわけではなく、相手との関係、声の調子、依頼の負担も関わります。初対面の人や、少し気を使う依頼ではCould you …?を入口にするとよいでしょう。
もう一つ、Would you mind …?という頼み方もあります。後ろは動詞の-ing形です。
Would you mind moving your bag?
かばんを移動していただけますか。
mindは、ここでは「気にする・嫌だと思う」という意味です。そのため返事は、普通のCould you …?と少し違います。
A: Would you mind moving your bag?
かばんを移動していただけますか。B: No, not at allアット オール. I’ll move it.
もちろんです。移動しますね。
このNoは拒否ではなく「嫌ではありません」です。断る場合は、I’m afraid I can’t.(申し訳ありませんが、できません)のように言えます。最初はYes・Noだけを聞いて判断せず、続く言葉や行動も確かめましょう。
Would you mindを使うために、すべての依頼を言い換える必要はありません。形と返答に迷ううちは、Could you …?で用件を明確にする練習から始められます。
期限がある依頼は、相手に推測させない
「時間があるときで大丈夫です」と言ったものの、本当は今日中に必要だった。日本語でも起こる行き違いですが、英語でも丁寧さを優先して条件を隠すと、相手が困ってしまいます。
Could you check the figures by 3 p.m. today? I need them for tomorrow’s meeting.
今日の午後3時までに数字を確認していただけますか。明日の会議で必要なんです。
by 3 p.m.は「午後3時までに」。期限と理由があれば、相手は都合を考えた返事をできます。
I’m sorry, I can’t finish by three. Would four be okay?
すみません、3時までには終えられません。4時でも大丈夫ですか。
4時で間に合うなら、Yes, four is fine. Thank you.(はい、4時で大丈夫です。ありがとうございます)と返せます。間に合わないなら、その条件を伝えます。
I need the figures by three. Could you check just this section?
数字は3時までに必要なんです。この部分だけ確認していただけますか。
依頼は、一度言って終わりではありません。相手の返事を聞き、期限や範囲を調整するところまでが会話です。

自分ならどう頼む?場面から英語にしてみよう
まず答えを隠し、相手にしてほしい動作を一つ決めてから英文を作ってください。英作文には複数の自然な言い方があります。次は、用件が保たれているかを見る練習です。
- 同僚に、このページの数字を確認してほしい。Could youで頼む。
- 会議室が暑い。自分で窓を開けてよいか、Could Iで尋ねる。
- 店で、別の色の商品を見せてほしい。Could youで頼む。
- Would you mind ___ your bag? の空欄にmoveを適切な形で入れる。
- 4の依頼を快く引き受ける。「嫌ではありません。移動しますね」と答える。
- 更新したファイルを今日の正午までに送ってほしい。必要な情報を省かずに頼む。
解答例と考え方
- Could you check the numbers on this page, please? 「資料を確認」よりも、どこを何について見るのかが具体的です。figuresも数字を表す語として使えます。
- Could I open the window? 開けるのは自分です。Could youなら、相手に開けてもらう依頼になります。
- Could you show me a different colour, please? 見せてもらう動作をshowで表します。米式のつづりcolorも使えます。
- moving Would you mindの後ろで動作を頼むときは-ing形にします。to moveにはしません。
- No, not at allアット オール. I’ll move it. Noだけでは意図を取り違えやすいため、続けて行動を伝えます。
- Could you send me the updated file by noon today, please? updated fileで対象、by noon todayで期限を伝えています。
次に誰かへ頼むときは、「確認する」「送る」「見せる」のように動作を一つ決めて、Could youの後ろにつなげてみてください。そこへ対象や必要な期限を足せば、丁寧さと分かりやすさを両立した依頼になります。表現を長くする前に、相手が何をすればよいか見える一文を作ることが第一歩です。
01
してほしいことを決める
Could you check the numbers on this page, please? 用件を具体的に。
02
動くのは誰?
Could youは相手が、Could Iは自分が動く。
03
Would you mind …?
返事のNoは「嫌ではない」。続けて、行動も伝える。
04
期限と理由を添える
by 3 p.m. today. I need them for tomorrow's meeting.
参考資料
- Cambridge Dictionary:Requests — 依頼の形(Could you …?、Would you mind …?)と、I wantが直接的すぎること。
- Cambridge Dictionary:Can and could — 依頼ではcouldがcanより丁寧になること。
- British Council LearnEnglish:Requests, offers, invitations — could youやwould youが、can youやwill youより丁寧な依頼になること。
- Cambridge Dictionary:Mind — Would you mindの後ろは-ing形で、No, not at allアット オールが「気にしません」の返事になること。断るときはI’m afraid …など。
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