英語の5文型は、英文の中心となる関係を確かめる道具として役立ちます。すべての文を五つの箱に無理なく分類できる万能の規則でも、会話の前に毎回唱える手順でもありません。「誰が何をするのか」「何がどんな状態なのか」をつかむために使うと、読むときにも、自分で短文を作るときにも助けになります。

大人のやり直しでは、文型の名前を暗記するだけで終わらず、S・V・O・Cの役割を理解し、短い英文で構造を確かめ、その形を使って自分のことを一文伝える順に練習しましょう。文法の学習と、使う練習をつなげることが大切です。

この記事では、基本の見分け方と自作の短文8個の分析練習を紹介します。例文はすべて本記事用に作成したもので、音声は添付していません。読み上げを確認する場合は、その英文に対応する音声を用意し、別の英文の録音と比べないでください。

5文型が役立つのは、単語は分かるのに意味がつながらないとき

I found the book interesting.を、単語の意味だけで「私は・見つけた・その本・面白い」と並べても、何を伝える文かは曖昧です。ここでは「その本が面白いと分かった・感じた」という関係を読み取る必要があります。

同じfindでも、I found the book.なら「その本を見つけた」です。後ろにどんな要素を置くかによって、文の意味の組み立て方が変わります。動詞を一語一訳だけで覚えるのではなく、後ろに続く形も確認する理由がここにあります。

文型分析は、その関係を立ち止まって確認する練習です。長文の全単語に毎回記号を振る必要はありません。意味が取れなかった一文を選び、動詞とその周囲を調べるだけでも活用できます。分析の速さそのものを、英語力の目標にしないようにしましょう。

最初に、S・V・O・Cと修飾語を整理する

記号 役割 確かめること
S:主語 文の主題となる人・物事 誰が、何が、どうする・どんな状態か
V:動詞 動作・状態を表す中心 何をするか、どうであるか
O:目的語 動詞が取る対象など 何を、誰に、などに当たる語句があるか
C:補語 主語や目的語の性質・状態・身分などを説明 何について、どんな説明を加えているか
M:修飾語 時・場所・方法などの情報を添える いつ、どこで、どのようになどの追加情報か

この表は入口です。主語は必ず人とは限らず、The roomのように物・場所もなります。目的語を探す際の「何を」「誰に」は便利な問いですが、日本語の助詞だけでは判断しきれません。英語の動詞がどの形を取るかと合わせて見ます。

また、主語や目的語は一語とは限りません。the old wooden deskのようなまとまりが一つの役割を担うこともあります。最初は短い名詞句で練習し、徐々に長いまとまりへ広げてください。

Vも、いつも見えている一語だけではありません。has finishedやwill leaveのように、助動詞などを含めた動詞のまとまりを確認します。まず「文の動詞はどこか」を見つけ、時制・否定なども読み落とさないようにします。

POINTS AT A GLANCE主語・動詞・対象・説明の関係を見る

01

S:主語

誰が・何が、動くのか、どんな状態なのか。

02

V:動詞

動作や状態の中心。動詞のまとまりを確認する。

03

O:目的語

動詞が取る対象や受け手などを確認する。

04

C:補語

主語・目的語の性質や状態などを説明する。

5つの形を、意味の関係で確認する

第1文型:SV「主語が動く・存在する」

Birds fly.なら、SはBirds、Vはflyです。「鳥が飛ぶ」という中心の関係が、この二つで成立しています。

Birds fly over the lake.と情報を足すこともできます。over the lakeは飛ぶ場所・経路を説明します。短い文だから第1文型、長い文だから別の文型という判断にはなりません。まず、動詞がどの要素を必要とするかを見ます。

ただし、動詞によっては場所の情報が欠かせません。後で扱うputのような例もあるため、「場所は全部なくてもよいM」とは覚えないでください。

第2文型:SVC「主語について説明する」

The room is quiet.では、The roomがS、isがV、quietがCです。quietは何か別の対象ではなく、部屋の状態を説明しています。

SとCの関係を「S=C」と書くことがありますが、厳密な同一性だけを表す式ではありません。「SがCという状態・性質である」と読むほうが、形容詞にも対応できます。部屋そのものと「静かな」が同じ物体という意味ではないからです。

beのほか、becomeやseemなども主語を説明する形を取ります。ただし、動詞一つに文型一つを固定するのではなく、その文の使い方を確認しましょう。

第3文型:SVO「動詞の対象がある」

I opened the window.では、IがS、openedがV、the windowがOです。開けた対象が窓であり、「私が窓である」という説明ではありません。

SVCとの違いで迷ったら、後ろの語が主語を説明しているのか、動作の対象などになっているのかを考えます。She became a manager.とShe met a manager.を比べると、前者は本人が管理職になり、後者は本人とは別の管理職に会っています。

意味だけで決めにくいときは、辞書でその動詞が目的語を取るか、補語を伴うかを確認してください。文型を当てるために、未知の動詞の意味を推測しすぎる必要はありません。

第4文型:SVOO「相手と、渡すものなどが続く」

She gave me a key.では、SheがS、gaveがV、meが間接目的語、a keyが直接目的語です。「誰に」に当たる相手と、「何を」に当たるものが続きます。

meとa keyは、同じ人物・物を説明する関係ではありません。「私が鍵という状態」ではなく、私が鍵の受け手です。この点が、次のSVOCとの区別に役立ちます。

She gave a key to me.のように、前置詞を使った形もあります。意味が近くても、学校文法の基本的な分析では、to meを二つ目の目的語と同じようには扱いません。また、すべての動詞を自由に二つの形へ変換できるわけではありません。辞書でgive someone somethingなどの型を確認しましょう。

第5文型:SVOC「目的語の状態などを説明する」

We kept the door open.では、WeがS、keptがV、the doorがO、openがCです。openが説明するのはWeではなく、the doorです。「ドアが開いた状態」を保ったことを伝えています。

OとCを「O=C」と示すときも、「OがCという状態・性質である」という関係を確かめます。We kept the door.だけでは、元の文の「開けたまま」という情報を伝えられません。

I found the book interesting.も同様に、interestingがthe bookについての説明です。目的語の後ろに形容詞が来たからという表面だけでなく、どの語を説明しているかまで読んでください。

誰が・何を・誰に、という文の要素を具体的な動作で捉える場面
誰が・何を・誰に、という文の要素を具体的な動作で捉える場面。

見分ける順序:動詞から中心の関係を探す

まず文を一度読み、伝えている内容の見当をつけます。そのあと、次の順に確かめると、単語に機械的に記号を貼る作業になりにくくなります。

  1. 動詞のまとまりを探し、「何をする・どうである」を確認する。
  2. その主語を見つけ、SとVの組み合わせを読む。
  3. 動詞の後ろが、対象なのか、主語の説明なのかを確かめる。
  4. 対象の後ろにも語句があれば、受け手と物なのか、対象についての説明なのかを見る。
  5. 時・場所などの情報を戻し、文全体の意味を確認する。

分からない語は辞書を引き、動詞の用例と形を確認して構いません。最初から自力で分類できることより、理由を確かめて誤読を直すことを優先しましょう。

前置詞のかたまりを、全部「おまけ」にしない

I put the bag on the chair.を例にします。on the chairを取り去ってI put the bag.だけにすると、通常の「置く」という使い方では、置いた先の情報が足りません。前置詞から始まるからといって、いつも省略可能な修飾語とは限らないのです。

英文法では、こうした場所の要素も含めて、必要な補いをより詳しく分析することがあります。日本の学習で使う5文型は、そのすべてを細かく表し分ける体系ではありません。分類で迷う一文に出会ったら、「5文型が無意味」とも「何としてもM」とも決めず、動詞が必要とする情報を確認してください。

短文8個の分析練習

以下の解答を隠し、S・V・O・Cを書き出してみましょう。時間などの追加情報はMとして示します。各文の意味も短い日本語で書いてください。記号が正しくても意味を取り違えていれば、関係の見直しが必要です。

  1. Birds fly.
  2. The room is quiet.
  3. I opened the window.
  4. She gave me a key.
  5. We kept the door open.
  6. She became a manager in April.
  7. She met a manager in April.
  8. I found the book interesting.

解答と確認点

  1. SV:S=Birds、V=fly。「鳥は飛ぶ」。動詞の対象を置かずに中心の内容が成立しています。
  2. SVC:S=The room、V=is、C=quiet。「その部屋は静かだ」。quietは主語の部屋の状態です。
  3. SVO:S=I、V=opened、O=the window。「私は窓を開けた」。窓は動作の対象で、私の説明ではありません。
  4. SVOO:S=She、V=gave、間接O=me、直接O=a key。「彼女は私に鍵をくれた」。meは受け手、a keyは渡された物です。
  5. SVOC:S=We、V=kept、O=the door、C=open。「私たちはドアを開けたままにした」。openはドアの状態を説明します。
  6. SVC+M:S=She、V=became、C=a manager、M=in April。「彼女は4月に管理職になった」。管理職になったのは彼女本人です。
  7. SVO+M:S=She、V=met、O=a manager、M=in April。「彼女は4月にある管理職の人に会った」。会った相手は彼女とは別の人です。
  8. SVOC:S=I、V=found、O=the book、C=interesting。「私はその本が面白いと感じた」。interestingは本についての評価です。

6と7は、同じa managerでも役割が異なります。8ではfindを「見つける」と固定したために読み違えなかったかも確認しましょう。誤った問題は、正解を書き写すだけでなく、「誰について説明しているか」を一文で言い直すと、見直す点がはっきりします。

分析した形で、自分の短文を作る

仕組みを確認したら、今度は日本語で伝えたい内容を決めます。「長い会議が続いて疲れた気分」を一度に訳そうとせず、「私は疲れている」に整えると、I’m tired.アイム タイアードというSVCの短文を作れます。

もう一つ、職場や家で必要な依頼を考えてみましょう。「そのファイルを開いた状態にしてほしい」なら、Please keep the file open.という言い方ができます。命令文では主語youが通常表に出ませんが、keep+対象+状態という組み合わせは練習に使えます。

作った文は、動詞がその形を取れるか、時制が状況に合うかを確認します。文型に収まれば、どんな語を入れても自然になるわけではありません。必要なら辞書や添削を使い、「対象の状態を説明する短文を作った。語法も確認したい」と、確認したい点を具体的に伝えてください。

短い英文から主語・動詞・目的語を順に確かめる練習
短い英文から主語・動詞・目的語を順に確かめる練習。

よくある質問

5文型の名前は暗記しなくてもよいですか?

名前や記号を覚えると説明を読む際に便利です。ただし、名前だけ答えられても、英文の理解には十分ではありません。まず基本の形と役割を覚え、短文で関係を説明し、例を変えて使う練習と組み合わせましょう。

主語と補語が長くなると、どこで区切るか分かりません

最初は中心の動詞を見つけ、名詞を説明する語をその名詞と一緒にまとめます。関係詞や節を含む文は、短文より確認点が増えます。基本の短文を安定させたあと、一度に扱う構造を一つずつ増やしてください。

会話でもSVOCを考えてから話すべきですか?

練習中に構造を確かめることは有効ですが、会話で必ず毎回分類する必要はありません。理解した形で自分の一文を作り、繰り返し口に出し、必要な場面で使います。会話のあと、言えなかった文をゆっくり分析する方法もあります。

参考資料

まとめ

5文型は、動詞を中心に、主語・対象・説明の関係を読むための道具です。まずルールと役割を確認し、8文のような短文で構造を確かめ、自分が使う一文へ移しましょう。分類しきれない文では、動詞が必要とする情報を辞書で調べれば構いません。形と意味のつながりを理解することが、読む練習と伝える練習の共通の土台になります。

POINTS AT A GLANCE今日のポイントを振り返る

01

役割を理解

基本の形を覚え、意味の関係を確認する。

02

8文で分析

動詞から、主語・対象・説明を見分ける。

03

自分の文へ

日本語で意図を決め、短い英語を作る。

04

迷ったら用例へ

五つに無理に当てはめず、動詞が必要とする形を調べる。

大人の英語スクール · ライブ授業

知っている英語を、
使える英語へ。

ここで試した学び方を、自分の課題にどう取り入れるか考えてみませんか。これからの英語学習を見直すヒントは、大人の英語スクールのライブ授業でもご案内しています。

最新の日程とご案内は、ライブ授業のページからご確認ください。

ライブ授業の案内を見る