質問されて答えを考えたいときは、英語では短い「つなぎの一言」を言ってから、簡単な文で答えに進むと、考えている途中だと相手に伝えられます。Well, … や Let me think. が、その代表です。Well や Hmm などは、フィラーと呼ばれる言葉です。この記事では、厳密な意味でのフィラーに加え、答えの導入・言い直し・確認の表現も「会話をつなぐ言葉」として紹介します。
オンライン英会話や会議で質問され、頭の中では答えを組み立てているのに、口からは「えーっと…」しか出てこない。もしあなたにそんな経験があるなら、この記事の20個の表現を試してみてください。
この記事では、フィラーを「考える時間をもらう」「答えに進む」「言い直す」「確認して返答する」の4つの目的に分けて、5個ずつ紹介します。3つの発言で構成した会話例と、使いすぎないコツ、5分の練習も用意しました。
英会話の沈黙は、悪いものではない
最初に、大切なことをお伝えします。少し考えるために黙ることは、悪いことではありません。難しい質問を受ければ、母語でも考える時間は必要です。
British Councilの10代向け資料(Learn English Teens)でも、スピーキング試験向けの「順番の取り方」の中で、沈黙を避けるための言葉として、So …、Erm …、Well …、Let me think … といった表現が紹介されています。英語を話す人たちが、考える間も、相手に「話を続けるつもりだ」と示す言葉を使うことがある、という整理です。
つまり、フィラーの目的は、沈黙を「悪いもの」として埋めることではありません。考えている途中だと相手に伝え、答えに進む準備を整えることです。無理に埋めようとして不自然な表現を使うより、短い一言で十分です。
フィラーと、相槌・聞き返しの違い
このサイトには、似たテーマの記事があります。それぞれの役割を整理しておきましょう。
- 相槌: 相手の話を受け止める反応。(相槌・リアクション20選)
- 聞き返し: 聞き取れなかったとき、聞き直す表現。(聞き返しフレーズ20選)
- フィラー(この記事): 自分が答えるとき、考える時間をもらい、答えに進むための表現。
聞こえなかった場合は、フィラーではなく聞き返しの表現を使いましょう。聞こえたけれど、答えを考えたいときが、この記事の出番です。
4つの目的で、フィラー20選
会話例は、この記事用に作ったものです。「相手→あなた→相手」の3つの発言で構成し、あなたの発言の太字がフィラーです。相手の返答は一例なので、実際の会話に合わせて変えてください。
① 考える時間をもらう(5つ)
質問を受けて、答えを考えるときの一言です。
01. Well, …
意味:ええと、そうですね。
もっとも短く使いやすい表現です。そのあとに、答えを続けます。
相手: What do you usually do on weekends?
週末はたいてい何をしていますか。
あなた: Well, I usually go for a walk.
そうですね、たいてい散歩に行きます。
相手: Where do you walk?
どこを歩くんですか。
02. Let me think.
意味:ちょっと考えさせてください。
少し時間がかかりそうなときに、はっきり伝えられます。
相手: What’s your favorite season?
好きな季節は何ですか。
あなた: Let me think. I like autumn.
ちょっと考えさせてください。秋が好きです。
相手: Why do you like it?
どうしてですか。
03. Let me see.
意味:ええと。/どれどれ。
思い出しながら答えるときに合います。
相手: When did you start learning English?
いつ英語の勉強を始めましたか。
あなた: Let me see. It was about three years ago.
ええと、3年ほど前です。
相手: That’s a long time.
長いですね。
04. Give me a second.
意味:ちょっと待ってください。
少しだけ時間がほしいときの、気軽な言い方です。
05. Hmm, let me think about that.
意味:うーん、それについて考えてみます。
すぐには答えにくい質問に対して、ていねいに時間をもらう言い方です。
② 答えの入口をつくる(5つ)
考える時間をもらったあと、答えにつなげる一言です。
06. That’s a good question.
意味:いい質問ですね。
答えが出ていなくても、質問を受け止めたことが伝わります。あとに続ける答えが必要です。
相手: What do you think about working from home?
在宅勤務についてどう思いますか。
あなた: That’s a good question. I think it has good points and bad points.
いい質問ですね。よい点と悪い点があると思います。
相手: What are the good points for you?
あなたにとってのよい点は何ですか。
07. It depends.
意味:場合によります。
一言で言い切れないときに使えます。そのあとに、「何によるのか」を添えると親切です。
08. To be honest, …
意味:正直に言うと、
率直な考えを伝えるときに使います。
09. I’d say …
意味:〜だと思います。/〜と言えるでしょう。
断定を少しやわらげて、自分の考えを述べたいときに使えます。
10. As far as I know, …
意味:私の知る限りでは、
確かではないけれど、知っていることを伝えるときに便利です。
③ 言い直す・言い換える(5つ)
言葉が出てこないときや、うまく伝わらなかったときの一言です。
11. What I mean is, …
意味:私が言いたいのは、
前に言ったことを、別の言い方で言い直すときに使います。
相手: Do you like your job?
お仕事は好きですか。
あなた: It’s interesting but busy. What I mean is, I like it, but I’m often tired.
面白いけれど、忙しいです。つまり、好きですが、よく疲れます。
相手: I understand.
分かります。
12. How can I put it?
意味:どう言えばいいかな。
言葉を探しているときに、考え中だと伝えられます。
相手: What was the trip like?
旅行はどうでしたか。
あなた: How can I put it? It was relaxing.
どう言えばいいかな。のんびりできました。
相手: That sounds nice.
いいですね。
13. In other words, …
意味:言い換えると、
難しい言い方を、簡単な言葉に言い直すときに向いています。
14. Let me say that again.
意味:もう一度言わせてください。
うまく言えなかったと感じたときに、言い直す意思を示せます。
15. Sorry, let me start again.
意味:すみません、最初から言い直します。
途中で文の形が崩れたときに、気持ちを切り替えるための一言です。
④ 確認して返答する(5つ)
質問の内容や、必要な情報を確かめてから答えるときの一言です。
16. Let me check.
意味:確認させてください。
調べないと答えられないときに使います。
相手: Are you free on Thursday afternoon?
木曜日の午後は空いていますか。
あなた: Let me check. Yes, I’m free after two.
確認させてください。はい、2時以降なら空いています。
相手: Great. Let’s meet at three.
よかった。3時に会いましょう。
17. Let me check my schedule and get back to you.
意味:予定を確認して、またご連絡します。
その場で答えられないとき、あとで返事をすることを伝えます。
相手: Can you join the meeting next week?
来週の会議に参加できますか。
あなた: Let me check my schedule and get back to you.
予定を確認して、またご連絡します。
相手: Sure. Please let me know by tomorrow.
もちろん。明日までに教えてください。
18. Just to make sure I understand, …
意味:念のため確認させてください。
内容を自分の言葉で言い直して、確認するときに使います。
19. Do you mean …?ドゥー ユー ミーン …?
意味:〜ということですか。
相手の意図を確かめたいときに使います。
相手: We need to finish this soon.
これはなるべく早く終わらせる必要があります。
あなた: Do you mean by the end of today?
今日中ということですか。
相手: Yes, if possible.
はい、できれば。
20. If I understand correctly, …
意味:私の理解が正しければ、
話の内容を確認したうえで、自分の理解を述べるときに使います。
相手: The report needs three pages, and the data comes first.
報告書は3ページで、データが先です。
あなた: If I understand correctly, I should put the data on page one.
私の理解が正しければ、データは1ページ目に置くのですね。
相手: That’s right.
そのとおりです。
01
考える
Let me think.
02
答え始める
I'd say …
03
言い直す
What I mean is …
04
確認する
Do you mean …?ドゥー ユー ミーン …?
聞こえなかったときは、④の確認ではなく、聞き返しの表現を使います。内容は聞こえたけれど、確認したいことがあるときに、18〜20を使いましょう。

使いすぎに注意:同じフィラーを連発しない
フィラーは、少しなら自然ですが、多すぎると聞き取りにくくなります。次の点に気をつけましょう。
- 練習では、つなぎの一言を1つ選ぶ。 自然な会話では複数使うこともありますが、 Well, let me think, how can I put it, … と続けると、答えに入る前に時間が流れてしまいます。
- フィラーのあとは、短い文で答える。 完璧な文を作ろうとせず、答えの一部だけでも言いましょう。
- like や you know の連発は避ける。 I like, you know, went to the, like, store. のように何度も挟むと、内容が伝わりにくくなります。
- 日本語の「えーっと」を、英語の Well, に置き換える。 無理に難しい表現を使わなくても、Well, と Let me think. の2つで多くの場面を乗り切れます。
また、フィラーを使うことが目的ではありません。フィラーは、答えに進むための橋渡しです。橋を渡ったら、短い文で答えましょう。
失敗しやすいポイント
1. フィラーのあとに、また黙ってしまう。 「Let me think.」のあと、答えを考える時間が必要なら、それも問題ありません。ただ、答えの準備ができたら、まず短く言い切りましょう。
2. 質問の意味が分からないのにフィラーを使う。 意味が分からないときは、フィラーでごまかさず、聞き返すか、18〜20のように確認しましょう。
3. 全部を暗記しようとする。 20個を覚える必要はありません。まずは各目的から1つずつ、合計4つを練習してみましょう。
4. 会議で、カジュアルな表現を使いすぎる。 Give me a second. は、仕事の場面ではやや気軽に聞こえることがあります。少し時間をもらうなら Could I have a moment to think?、確認が必要なら Let me check. など、目的と場面に合う表現を選びましょう。
5分でできる、つなぎ言葉の練習
- 0〜1分:目的を1つ決める。 自分が一番困る場面(質問されたとき、言葉が出ないとき、確認したいとき)を選びます。
- 1〜2分:フィラーを1つ選ぶ。 上の20個から、使いやすいものを選びます。
- 2〜3分:簡単な答えを一文用意する。 たとえば、"What do you do on weekends?" なら "I go for a walk." など、短い答えです。
- 3〜4分:「フィラー+答え」を声に出す。 Well, I go for a walk. のように、2回言います。
- 4〜5分:質問だけを見て、答える。 質問文だけを見て、フィラーを入れて答える練習です。

参考にした資料
例文と会話例は、この記事用に作成しています。
まとめ:つなぎの一言で、答えに進もう
英会話で考える時間が必要なのは、自然なことです。フィラーは、沈黙を悪者にして埋めるものではなく、考えていることを伝えて、答えに進むための橋渡しです。
- 考える時間をもらう: Well, / Let me think.
- 答えの入口をつくる: That’s a good question. / It depends.
- 言い直す: What I mean is, … / How can I put it?
- 確認して返答する: Let me check. / Just to make sure I understand, …
- 使いすぎない。 1回の返答に1つで十分。
01
目的を選ぶ
困る場面を1つ決める
02
一言と答えを用意
使いやすい表現+短い文
03
声に出す
一言から答えまで続ける
04
質問だけで答える
用意した文を見ずに試す
まずは、自分が使いやすい一言を1つ選んで、次の会話で使ってみてください。
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