会議室に予備の椅子があるか分からない。受付で確かめるなら、こんな聞き方ができます。
Do you have any spare chairs?
予備の椅子はありますか。
一方、会場のスタッフが椅子を追加で出してくれると話していて、二脚ほど運んでほしいなら、こう頼めます。
Could you bring us some chairs, please?
椅子を何脚か持ってきてもらえますか。
どちらも疑問文の形ですが、前者は「あるかどうか」の確認、後者は「何脚かお願いします」という依頼です。someとanyは、文の形だけでなく、何をしたいかから考えると使い分けやすくなります。
まずは肯定・否定の基本形を押さえる
数や量をはっきり言わないとき、肯定文ではsome、否定文ではanyを使うのが基本です。
We have some spare chairs.
予備の椅子が何脚かあります。
We don’t have any spare chairs.
予備の椅子は一脚もありません。
この用法では、someもanyも複数の可算名詞か不可算名詞に付けます。some chairs、any chairsのように複数にするか、some space(いくらかのスペース)、any spaceのように不可算名詞を使います。
some自体が必ず「少しだけ」を意味するわけではありません。具体的な数や量を言っていないのがポイントです。二脚と分かっていて、それを伝えたいならtwo chairsで十分です。
また、not … anyで「一つもない」と表せますが、anyという単語そのものがゼロを意味するわけではありません。Do you have any …?は、あるともないとも決めずに尋ねています。

疑問文では、確認か、差し出す・頼む場面かを見る
会議前の休憩時間に、スナックを用意する場面で比べてみましょう。
| 場面 | 一文 | 話し手がしていること |
|---|---|---|
| 会場に用意があるか分からない | Are there any snacks in the meeting room?(会議室に何か軽食はありますか) | 有無を尋ねる |
| 自分が軽食を持ってきた | Would you like some snacks?(軽食はいかがですか) | 相手に差し出す |
| 用意された軽食を少し分けてほしい | Could I have some snacks for the afternoon session?(午後の回のために軽食をいくらかもらえますか) | いくらか欲しいと頼む |
「疑問文ならany」とだけ覚えると、下の二つを説明できません。someは、何かあることを見込んだり、差し出す分・欲しい分を思い浮かべたりする疑問文でも使われます。


頼む文でも、中身が「あるかの確認」ならanyになる
ここで「頼むときは必ずsome」と置き換えないことも大切です。
Could you check whether there are any spare chairs?
予備の椅子があるかどうか、確認していただけますか。
文全体は依頼ですが、頼んでいる中身は「予備の椅子があるかどうか」です。あるか分からないので、anyを使います。一方、冒頭のCould you bring us some chairs, please?のように、持ってきてほしい物を頼むときは、someが自然です。
同じように、Do you have some spare chairs?と尋ねれば、話し手が「ありそうだ」と考えて確認している響きを出せます。ただし、そう思っているからといってanyが使えなくなるわけではありません。anyは広く確認し、someはあることを見込むという目安として捉えましょう。現実の会話では、前後の話や声の調子も伝わり方に関わります。
肯定文のanyは「どれでも」のことがある
受付で三つの席を見せてもらい、こう言われたらどうでしょう。
You can use any of these seats.
これらの席は、どれを使ってもかまいません。
これは「いくらかの席がある」というsomeの意味とは違い、どれを選んでもよいというanyです。肯定文にもanyは登場します。
この意味では、You can choose any seat.(どの席を選んでもいいですよ)のように単数名詞も使えます。先ほどの「数量が不明なsome/any+複数・不可算」と分けて覚えると混乱しません。
また、「何かあるか」と確認するanyと、「どれでもよい」と選択を広げるanyは、同じ日本語には訳しきれません。anyを見たら、否定・疑問・自由な選択のどの文脈なのかを確かめてみてください。
会場での三つのやり取りを選んでみよう
someかanyを入れて、場面に合う一文を作ってください。二つとも使えると思ったら、どう違うかも考えてみましょう。
A:有無が分からない
オンライン会議の前に、パソコンにつなぐ変換アダプターを借りられるか尋ねます。
Do you have ___ adapters I could borrow?
借りられるアダプターはありますか。
B:お菓子を差し出す
自分が持ってきたビスケットを、隣の人にも勧めます。
Would you like ___ biscuits?
ビスケットはいかがですか。
C:自由に選んでもらう
棚のノートはどれも使ってかまわないと案内します。
You can take ___ notebook from this shelf.
この棚のノートは、どれを取ってもかまいません。
答えと考え方
Aはanyが合います。借りられる物があるかを開いて尋ねているためです。someを使うなら、「ありそうだ」と見込んで確認する文脈になります。
Bはsomeが自然な基本形です。目の前にある物を相手に差し出しています。ここでanyを選ぶ理由を「疑問文だから」とするのは、会話の目的を見落としています。
Cはany。「どれでも」という自由な選択の意味なので、単数のnotebookと使えます。
まずは、自分がよく使いそうな二文を作ってみましょう。「あるか分からない物を聞く一文」と「用意した物を勧める一文」です。英文の形が似ていても、場面が変われば選ぶ語も変わることを確かめられます。
01
有無を広く確認するany
Are there any snacks in the meeting room? 用意があるともないとも決めずに聞く。someなら、ありそうだと見込む響きを出せる。
02
差し出す・分けてもらうsome
Would you like some snacks? は用意した軽食を勧める。Could I have some snacks? は、欲しい分を思い浮かべて頼む。
03
依頼の中でも、確認にはany
Could you check whether there are any spare chairs? は有無の確認を依頼。Could you bring us some chairs, please? は持参を依頼。依頼の形だけで選ばない。
04
ゼロを表すのはnot … any
We don't have any spare chairs. は予備の椅子が一脚もない。anyという語だけでゼロになるわけではない。
05
肯定文のanyは自由な選択にも
You can choose any seat. はどの席でもよい。この意味のanyは、seatのような単数名詞とも使える。
参考資料
- Cambridge Dictionary:Any and some — 肯定・否定・疑問文でのsome/anyの傾向と、答えがyesだと見込むときにsomeを使えること。
- Cambridge Dictionary blog:Some or any? — 有無が分からない疑問文にany、肯定的な答えを見込む質問や申し出・依頼(Can you lend me some money?)にsome。
- Cambridge Dictionary:Any — 「どれでもよい」を表す強いany。単数可算名詞にも使えること。
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「あるか確かめたい」「差し出したい」「頼みたい」のうち、今日ありそうな場面を一つ選び、someかanyで一文にしてみましょう。ライブ授業では、苦手意識を才能の問題と決めつけない視点も取り上げています。
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