通勤時間を英語の勉強に使いたい。でも、満員電車では本を開けないし、声に出す練習もできない。音声を流しているうちに、何を聞いていたかわからなくなることもありませんか。
通勤電車での勉強は、毎回たくさん進める必要はありません。短い英語を一つ確かめ、見ずに思い出す時間を作るところから始めてみましょう。
この記事では、立っているとき・座れるときの勉強法と、3分・10分・20分の練習メニューを紹介します。電車では声を出さず、帰宅後に一文だけ声に出すところまでつなげる方法です。
通勤電車の英語学習は「今日の一つ」を決める
「単語も、リスニングも、長文も」と広げると、教材を選ぶだけで時間が過ぎがちです。最初は一回の乗車で扱うものを一つに絞りましょう。
たとえば、昨日聞き取れなかった10秒の英文、仕事で使いたい一語、英語の独り言で言いたかった一文です。選ぶ基準は、難しさより「何を確かめるかが決まっていること」です。
| 今日の目的 | 持っていくもの | 乗車中に確かめること |
|---|---|---|
| 聞き取れなかった音を知る | 英文付きの短い音声 | どの語句を聞き逃したか |
| 単語を使えるようにする | 一語と自分の例文 | 場面からその一文を思い出せるか |
| 読む量を少し増やす | 無理なく読める短い文章 | 誰が何をした話だったか |
| 会話の準備をする | 今日話したい内容のメモ | 伝えたいことを短い英語にできるか |
教材は、前日のうちに開く場所を決めておくと始めやすくなります。必要な音声を保存する場合は、そのサービスの利用条件に従ってください。
立っているときと座れるときで、やることを変える
混雑しているとき:無理に画面を見ない
周囲の状況や足元の安全を優先しましょう。スマートフォンを安定して持てないときは、勉強を休んで構いません。音声を使う場合も、案内放送や周囲の音が確認できる音量にします。
聞ける状況なら、すでに内容を確認した短い音声を一つ使います。知らない長文を流し続けるより、「次は何と言っていたか」を思い出してから再生すると、確かめる場所がはっきりします。
立っていて、画面を見られるとき:一問だけ思い出す
単語帳を何十語も眺める代わりに、答えを隠して一語や一文を思い出してみます。電車内では、頭の中で英文を組み立てるだけで十分です。
例として、「今日は会議が二つあります」を英語で思い出してから、メモの I have two meetings today.アイ ハヴ トゥー ミーティングズ トゥデイ と照らし合わせます。言えなかった語句があれば、そこだけ見直します。
座れるとき:短く読んで、画面から目を離す
短い文章を読んだら、いったん画面を伏せ、内容を日本語でもよいので一言で振り返ります。英文を自分で言えるなら、一文にしてみましょう。
読んだ量だけでなく、「何がわかったか」を確かめる時間を入れるのがポイントです。乗り物酔いを感じる場合は読む練習をやめ、無理のない方法に切り替えます。
01
今日の一つを選ぶ
短い音声や英文を、
乗る前に用意する。
02
音と意味を確認
わからなかった場所を、
一か所だけ確かめる。
03
頭の中で思い出す
画面を閉じて、
自分の一文を組み立てる。
声に出す練習は、周囲に配慮できる場所で足しましょう。
声を出さずにできる、10分の英語学習メニュー
ここでは、英文付きの短い音声を使う例を紹介します。電車内で音読やシャドーイングをする必要はありません。
0〜2分:一度聞き、内容を予想する
10〜30秒ほどの、意味を確認できる音声を一つ選びます。長さは目安です。難しければ一文に短くしましょう。
一度聞いて、何の話か、どの語句が聞こえたかを頭の中で確かめます。全文を書き取れなくても大丈夫です。
2〜5分:英文と意味を確認する
英文を読み、聞こえなかった場所を一か所選びます。知らない語句なら意味を、知っている語句なら音声でどう聞こえるかを確かめましょう。
たとえば What are you going to do after work?ワット アー ユー ゴウイング トゥー ドゥー アフター ワーク の一文で、after workアフター ワーク はわかっても、前半を聞き逃したとします。音声を戻せる場合は、その短い区間だけもう一度聞きます。
5〜8分:画面を閉じ、音だけでもう一度
英文を見ずに聞き、今確かめた語句と意味を追えるか確認します。音ではなく、覚えた英文の文字を頭の中で思い出しているだけだとしても、まずはそれに気づければ十分です。翌日にも聞いて確かめましょう。
8〜10分:自分の一文に変える
音声に出てきた表現から、今日使いたいものを一つ選びます。
質問:What are you going to do after work?ワット アー ユー ゴウイング トゥー ドゥー アフター ワーク
自分の答え:I’m going to buy some groceries.アイム ゴウイング トゥー バイ サム グロウサリーズ
意味:仕事のあと、食料品を買う予定です。
最後に英文を隠し、「仕事のあと何をするか」という場面から、自分の答えを思い出します。聞いて終わらず、自分の一文を一つ持ち帰ることを目標にしてみましょう。
3分しかない日・20分ある日はどうする?
通勤時間は毎日同じとは限りません。時間に合わせて教材を増やすより、同じ内容をどこまで確かめるかで調整します。
| 使える時間 | 取り組むこと | 今日の終わり方 |
|---|---|---|
| 3分 | 前日に作った一文を見ずに思い出し、答えを確認 | 一文をもう一度頭の中で言う |
| 10分 | 短い音声を聞く → 英文を確認 → 自分の一文を作る | 自分の一文をメモする |
| 20分 | 10分メニュー → 別のやさしい文章を読む → 内容を振り返る | 気になった語句を一つだけ残す |
疲れている日は3分メニューで終えて構いません。「毎回20分やる」と決めるより、短い日にも戻れる入口を用意しておきましょう。
1週間で試す、通勤英語の練習プラン
最初の一週間は、同じ話題を何度か扱ってみてください。以下は、平日の通勤と週末の短い振り返りを組み合わせた例です。勤務日に合わせて入れ替えて構いません。
| 日 | 電車内・移動中にすること | 自宅など声を出せる場所ですること |
|---|---|---|
| 1日目 | 短い音声を一つ選び、英文と意味を確認 | 気になる一文を一度読む |
| 2日目 | 同じ音声を文字なしで聞く | 一文を自分の予定に変えて言う |
| 3日目 | 自分の一文を見ずに思い出す | 言えなかった部分を確認する |
| 4日目 | 同じ話題のやさしい短文を読む | 内容を一文で話してみる |
| 5日目 | 今週の表現を一つ選び、使う場面を想像 | 何も見ずに一文を言う |
| 6日目 | 移動がなければ、短い復習だけにする | 今週の一文を二〜三文に広げる |
| 7日目 | 来週使う教材・開始位置を決める | 続けられた時間帯を振り返る |
電車内での黙読や頭の中の練習は、声に出す機会へつなげられます。ただし、それだけで発音や実際の会話の練習がすべて済むわけではありません。自宅などで一文を声に出す時間を短く足してみましょう。
続かないときに見直したい三つのこと
1.教材が難しすぎないか
一文ごとに調べものが必要なら、通勤中に扱うには負担が大きいかもしれません。内容を知っている素材や、無理なく読める素材へ戻してみましょう。
2.毎回、別のものを開いていないか
新しいアプリや動画を探し続けると、復習する時間が減ります。まず一週間は、主に使う教材を一つ決め、開始位置を保存しておきましょう。
3.「何分聞いたか」しか記録していないか
学習時間は役立つ記録ですが、内容も一つ残すと次に戻りやすくなります。「after workアフター ワーク を聞き取れた」「明日の予定を一文にした」など、小さく具体的に書きます。
記録は 今日の一つ・つまずいた場所・次にすること の三項目で十分です。

よくある質問
電車で英語を聞き流すだけでもよいですか?
英語に触れる機会にはなりますが、音を流した時間だけでは理解できたかがわかりません。短い区間でよいので、「何の話か」「どこがわからないか」を確認する時間を入れてみましょう。
英単語アプリだけでも大丈夫ですか?
単語の確認には使えます。会話で使いたいなら、その単語を含む自分の一文も作り、場面から思い出す練習を足しましょう。アプリの進捗と、実際に言えるかを別々に確かめます。
通勤中にシャドーイングをしたほうがよいですか?
公共の場で声を出す必要はありません。電車内では音と意味の確認を進め、声に出す練習は周囲に配慮できる場所で行いましょう。
まずは明日の通勤に、一文だけ用意する
通勤英語を始めるなら、今夜、明日開く英文を一つ決めてみてください。明日の電車では内容を確認し、帰り道や帰宅後に、見ずに思い出せるか試します。
短く確かめる → 見ずに思い出す → 声に出せる場所で使う。 この流れを、無理のない時間で試してみましょう。
01
前夜に用意する
明日見る英文と、
始める場所を決める。
02
電車で思い出す
答えを見る前に、
場面から一文を考える。
03
帰宅後に声にする
短い一文を一度。
言えないところを見直す。
使える時間に合わせて、3分から試してみてください。
自分に合った学習の順番を、
ここから。
通勤中の短い勉強と、自宅での練習をどう組み合わせるか。生活に合う学習の順番も整理してみましょう。
ライブ授業「英語学習の新常識」では、言葉が出てこない理由や、自分に合う学び方など、英語学習を5つの視点から見直します。














