英語の模試を復習するときは、点数や正解の番号だけで終えず、「答えを見ない再挑戦→原因の確認→必要な練習→後日の解き直し」と進めましょう。間違えた問題だけでなく、勘で当たった問題も対象です。失点をすべて基礎不足と決めつけず、時間配分、形式への慣れ、疲労なども確認します。
語彙が分からないなら語彙へ、文の構造が取れないなら文法へ、文字では分かるのに音で認識できないなら語と音の照合へ戻ります。ただし、原因は一つとは限りません。この記事では、問題ごとの確認方法、原因別の戻り方、自作5問の練習と15分の整理メニューを紹介します。
ここでいうTOEICは主にListening & Reading Testです。他の模試では、その試験の制限時間や解答方式を確認してください。以下の問題は公式問題を転載したものではなく、復習方法を説明するための自作例です。音声は添付していないため、この5問でリスニング力の判定はできません。
まず「正解したか」と「理解していたか」を分ける
採点した後、問題番号の横に印を付けます。「間違えた」「正解したが根拠が曖昧」「根拠を説明できる」の三つです。点数だけを見ると、選択肢を偶然当てた問題が埋もれます。反対に、理解していたのにマークをずらした問題も、知識不足とは別に扱う必要があります。
復習の優先候補は、前の二つです。数が多い場合は、同じ原因が繰り返されている問題や、今の段階で理解を確かめられる短い問題を選びます。難しい長文を何本も一度に片付けるより、一つの問題で「なぜその答えか」を言えるところまで進めましょう。
本番形式の練習と復習では、条件が違います。IIBCの案内では、TOEIC L&Rはリスニング約45分・100問、リーディング75分・100問です。形式を再現する回は所定の条件で取り組みます。一方、理解を調べる復習では、時間制限を外したり短い区間を繰り返したりして構いません。
「止めずに解いたときの結果」と「時間をかけて理解した結果」を別に記録すると、知識と処理のどちらを確認しているかが分かります。繰り返し聞いて正解できたことを、初回の聞き取りができたことと同じには扱わないようにしましょう。
答えを見る前に、読解と聞き取りをやり直す
読解:時間を外して、根拠の場所を残す
読解問題は、解説や正解を隠してもう一度解きます。時間は計っても構いませんが、最初は制限を外して、どこで止まるかを見ます。分からない単語に印を付け、主語と動詞、修飾される語、接続表現を確認してください。
選択肢を選んだら、本文の根拠となる一文を指せるか確かめます。「この単語が同じだから」だけでなく、誰が何をしたのか、日時や条件は何かを説明します。内容一致なら、他の選択肢が合わない理由も一つずつ確かめましょう。
ここで解けた場合も、「時間があればできた」で終えません。知らない語を推測する時間が長かったのか、文を何度も読み返したのか、設問を読み違えたのかをメモします。正解に変わった事実だけでは、最初の原因までは分かりません。
聞き取り:語と音の細部を確かめてから照合する
リスニングは、対応する音声とスクリプトがそろった問題で行います。最初は答えや英文を見ずに、会話や説明の意味をもう一度考えます。次に、分からなかった短い区間へ絞り、聞こえた語を書き、不明な箇所を空欄にします。繰り返す回数だけを増やさず、何が聞こえないかを見つけましょう。
語の境目、短い機能語、語尾なども、精聴では確認する対象です。「細かい語は全部無視していい」とは考えません。一方、全体の要点を取る試験中の聞き方と、一語ずつ確かめる復習の聞き方は使い分けます。
自分なりに確認した後、同じ音声のスクリプトを開きます。知らない語だったか、知っている綴りと音が結び付かなかったか、語は聞こえたが意味を追えなかったかを分けます。音声変化の名前を先に当てはめず、実際の録音と照合してください。別の英文の音声を正解として使ってはいけません。
その後、文の意味と構造を確かめ、同じ区間を英文あり・なしで聞き直します。音読や音声をまねる練習は、内容を理解してから行います。発音やアクセントには話者による違いもあるため、自分の想定と違う音をすべて誤りと決めないようにしましょう。
01
音
対応する音声で細部を確かめる
02
語彙・構造
語の意味と文の骨格を確認する
03
文脈
指示語や前後関係をたどる
04
運用
時間配分や解答操作も見直す
失点を4つの理解面と、試験中の条件から整理する
A:音の認識で止まった
スクリプトなら意味が分かるのに、音声では語が分からなかった場合です。対象の語を辞書の音声で確認し、録音中の短いまとまりでも確かめます。単語単独で聞くことと、文の中で聞くことの両方を扱いましょう。
復習記録は「リスニングが苦手」ではなく、「日時の部分で、知っていた語を認識できなかった」のように残します。その箇所を確認した後、周辺の文も含めて聞きます。文字を読めることと、音で即座に分かることを別々に確かめてください。
B:語彙・表現の意味が分からなかった
綴りが見えても意味が分からないなら、まず語の意味、品詞、発音、文中の使い方を調べます。一語に複数の意味がある場合は、その文に合う意味を選びます。訳語一つだけを丸ごと当てはめないようにしましょう。
確認後は、単語と意味を眺めるだけで終わらず、答えを隠して思い出します。英語から意味を答え、必要なら日本語から英語も取り出す。覚えたつもりでも出なかった語を後日もう一度扱います。暗記と理解を対立させず、文中での意味と反復を組み合わせてください。
C:文法・構造が分からなかった
単語は分かるのに、誰が何をしたのかが曖昧な場合です。いきなり解説の訳を覚えるのでなく、関連する文法のルールを確認し、元の文で構造を取ってから、短い練習問題へ進みます。
主語・動詞・目的語などを分ける5文型は、骨格を見る分析道具として使えます。ただし、あらゆる表現や節の意味を5文型だけで説明できるわけではありません。修飾語句や節のつながり、動詞ごとの語法も確かめます。記号を付ける作業そのものを目的にしないことが大切です。
D:文脈・根拠の対応を誤った
一文ずつ読めても、変更前と変更後、提案と決定、依頼者と担当者を取り違えることがあります。根拠になる文を並べ、「何が変更されたか」「選択肢のどの部分と対応するか」を日本語でも説明します。意味を確認するために日本語を使って構いません。
本文にないことを常識で補った場合も記録します。ありそうな答えと、本文から根拠を示せる答えは異なります。言い換えが分からなかったなら語彙も併せて確認し、原因を一つに無理に絞らないようにしましょう。
理解面と別に見る:時間配分・形式・集中の条件
時間無制限なら根拠を示せる問題で、制限下では後半が未解答になるなら、時間配分や読む速さも確認します。ただし、遅さの背景に語彙や構造の曖昧さがある場合もあります。単に急ぐ練習を加える前に、どの作業に時間がかかったかを見ましょう。
設問形式を取り違えた、マーク位置をずらした、前の問題を考え続けて次を聞き逃した、といったことも別欄に残します。疲労、睡眠、周囲の音など、当日の条件も結果に影響し得ます。一回の模試だけで英語力全体を断定せず、似た条件での複数回の記録から傾向を見ます。

自作5問:答えだけでなく「戻る場所」を選ぶ練習
次は復習の考え方を試す短い問題です。公式の出題形式や難易度を再現したものではなく、スコア換算もできません。先に5問を解き、「迷った語や構造」「選んだ根拠」を一言ずつ残してから解答を見てください。
問1:語彙
The meeting was postponed until Friday.
会議はどうなりましたか。A 金曜まで延期された/B 金曜に中止された
問2:構造
The report on the new service is ready.
主語の中心となる名詞と、文の動詞を答えてください。
問3:時制
We ___ the client yesterday.
A call/B called
問4:文脈
The workshop was planned for Room A. It will now take place in Room C.
実際の開催予定の部屋はどちらですか。A Room A/B Room C
問5:復習の選択
模試で最後の10問が未解答でした。後で時間制限を外すと、そのうち8問は根拠を示して解けました。まず何を確認しますか。A 全問を語彙不足と決める/B 解答にかかった時間と、残る2問の理解面を分けて確認する
解答と見直しの観点
問1はA。 postponeは予定を後へ延ばす意味で、取りやめる意味とは異なります。語が分からなければBの語彙へ戻り、意味と発音を確認してから、答えを隠して意味を取り出します。until Fridayは、この文では延期先を示しています。
問2はreportとis。 主語全体はThe report on the new serviceで、on the new serviceはreportを説明しています。serviceを主語の中心と考えたなら、Cの構造を確認します。語を左から訳すだけでなく、主語のまとまりと動詞の関係を見ましょう。
問3はB。 yesterdayという明確な過去の時を示す語があり、終わった連絡を過去形calledで述べます。文法のルールを確認した後、We emailed the client yesterday. のように動詞を変えて、自分で文を作ってみます。
問4はB。 最初のRoom Aは当初の予定で、now以降が現在の開催予定です。語が読めてもAを選んだなら、Dの変更前後の整理を試します。二つの文を「当初→現在」と書き分けると、根拠を確かめられます。
問5はB。 8問は理解できたから何も不要、とも言い切れません。どこで時間を使ったか、形式に迷ったかを確認します。残る2問は語彙・構造などを調べます。この選択だけで原因が確定するわけではなく、次に確認する場所を選んでいます。
15分の整理メニュー:深掘りする問題を一つ決める
模試全体を15分で復習し終える必要はありません。まず復習の入口を作ります。最初の3分で、誤答と根拠の曖昧な正解に印を付けます。次の5分で、その中から短い1問を答えを隠して再挑戦します。読解なら根拠、聞き取りなら聞こえた語と不明点を残します。
次の5分で解説や対応するスクリプトを確かめ、「A〜Dの理解面」「時間や形式などの条件」の候補を記録します。精聴や長文の確認が終わらなければ、無理にこの時間へ収めず、未確認の区間を書いて続きの枠を取ります。
最後の2分で、次に行う練習を一つ決めます。「単語を頑張る」ではなく、「postponeの意味と発音を確認し、明日、答えを隠して思い出す」と書きます。3分+5分+5分+2分で15分です。初回の分類は仮でよく、詳しく調べて原因が違ったら修正します。
後日の解き直しでは、正解の番号を覚えていないかにも注意してください。選択肢を見ずに文の意味を説明する、根拠を指す、同じルールの新しい問題で使う、といった確認を加えます。「同じ問題を覚えること」と「別の文にも使えること」の両方を見ましょう。
よくある質問
間違えた問題は全部、何周もすべきですか?
回数をそろえる必要はありません。理解して取り出せる問題は間隔を空け、説明できない問題を優先します。繰り返しは有効な手段ですが、正解の番号だけを覚えていないか確認してください。
点数が下がったら、最初から基礎をやり直しますか?
まず問題ごとの原因と当日の条件を見ます。複数の問題で同じルールに詰まるなら、その項目へ戻ります。すべてを最初からやり直す必要があるかは別の判断です。分かっている部分と未理解の部分を分けましょう。
解説を読んでも分からない場合は?
分からない語、文の構造、正解の根拠を分けて質問できる形にします。先生などに確認するときは、自分がどこまで理解したかも伝えます。理解が曖昧なまま大量の問題を追加せず、短い例へ戻って確かめてください。

参考資料
- IIBC:テストの形式と構成 — TOEIC L&Rの問題数・制限時間・各Partの形式を確認。
- British Council:Past simple — 問3で扱う、終わった過去の出来事と過去形を確認。
- TeachingEnglish:Retrieval — 答えを隠し、覚えた言語を取り出す復習の考え方を確認。
- Cambridge Dictionary:postpone — 設問1の語義と、予定を後に延ばす意味を確認。
まとめ
模試の復習では、誤答と曖昧な正解を選び、答えを見る前に再挑戦しましょう。語彙・構造・音・文脈のどこで止まったかを確かめ、時間配分や当日の条件も別に記録します。必要なルールへ戻り、理解した内容を練習し、後日もう一度取り出す。まず一問から、次の学習を決められる復習へ変えていきましょう。
01
先に解き直す
答えを見る前に根拠を探す
02
基礎へ戻る
必要な語やルールを絞って確認
03
再挑戦する
答えを隠して判断し直す
04
次の課題
次回確かめる行動を一つ残す
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